最後の恋とは何かを考えたくなる|読書感想文#1

最後の恋って何ですか

おはようございます、ぽぽこ(@popocomp)です。

最後の恋”をテーマにした短編集です。
女性作家ばかりの1冊、男性作家のばかりの1冊があります。

正直、特別感銘を受けた作品があったわけではないのですが、
「自分の”最後の恋”とは❓」を考えるきっかけになりました。

副題には”自分史上最高の恋“なんて書いてありますが、私からしたら”最後の恋”が史上最高とは限りません✋

作家それぞれの“最後の恋”があるように、
私たちには私たちの”最後の恋”があるのです。

この短編集を読むと、他者の“最後の恋”を通じて
自分の“最後の恋”について考察ができました。

作品越しの”最後の恋“を、私なりにまとめた記事です。

こんな人におすすめの記事です
  • 『最後の恋』シリーズを読んだ
  • 恋をしたことがある
  • 特にアラサー以上の人

はじめに 読んだきっかけ

私にとって、本は選んで読むものです。なぜその本を選んだのか、経緯を辿れば自分を内観できるという考えからでこの章を設けました📚

まあほとんど、
自分に足りないモノを補いたい」という思いから選んでるのだと思いますが😃

“最後”が響いたから

手に取ったのは離婚後でした。年齢は25~26歳でした。

先に『最後の恋―つまり、自分史上最高の恋。 (新潮文庫)』を読んで、色々考えさせられました。男性目線も知りたいと思い、『最後の恋 MEN’S―つまり、自分史上最高の恋。 (新潮文庫)』も読むことにしました。

私の恋はアラサーまでに終わる気がした

私にとって「」は、子供の頃の無垢な純粋さと同じ類で、大人になるにつれ失われていくものです。

結婚・遺伝子・社会的地位・親の顔色・相性…
生きていると、恋愛の経験や知識が増えていきます

だから、アラサーになる頃には」に損得を勘定するようになるだろうと想像しました。恐らく私は、社会的・合理的に恋愛をするのです。

では、いつまで純粋な恋心だけで恋愛ができるだろうか―。
」における”最後“とは何だろうか―。

その答えを出したくなり、この本が読みたくなったのだと思います。



1.読書感想文

男女差があったこと、作品ごとで“最後”の解釈の違いを感じました。

恋の概念に男女差

男性作家の作品『最後の恋 MEN’S―つまり、自分史上最高の恋。 (新潮文庫)』はロマンチック、女性作家の作品『最後の恋―つまり、自分史上最高の恋。 (新潮文庫)』は現実的な傾向があると感じました。男性にとって恋は永遠で、女性にとって恋は有限なのかなと。

実際に、浮気の男女比を思い浮かべるとちょっと納得できると思ったり。

“最後”の種類が4パターン以上

作品によって”最後“が違いました。私の解釈ですが、4パターン紹介します👇

生涯で最後

私がイメージしていた”最後“です。恋の最期とも言うべきでしょうか。登場人物がもう二度と恋することは無いんだろうと思わされるものです。

最新という意味で最後

登場人物はこれからも恋をしそうです。ただ、時系列では最新の恋であり、今のところ最後にした恋なのだなと思わされるものです。

最後だと決める

女性作家の作品に多かったです。「この恋が人生最後だ」という覚悟の強さが描かれるシーンが印象的なもの。恋を自制するのですね。

死んだ人にとって最後

登場人物の死によって、遺されたパートナーが「死んだ人の最後の恋人」となるもの。遺された側の葛藤が描かれた作品です。

あえて作品名は伏せました。これから読まれる方は最後”をキーワードにして読み進めるのも楽しみ方のひとつになるかと思います👓

自分の”最後の恋”があれば良い

私の解釈では、4通り以上の“最後”がありました。それらを読んだ上で自分にとって”最後の恋“について改めて考えました(考えてみたくなる)。

結局変わらずで、利害を考慮しない恋愛感情が私の「」の定義であり条件です。

そして今後、損得勘定無く、純粋な気持ちで恋しく思うことがあれば、きっとそれが私の”最後の恋“になるのだと思いました。

みなさんの各作品の解釈はきっと私と違うと思います。
みなさんにとっての”最後の恋“はどんなものでしょうか。

2.※ネタバレあり※ 印象に残ったシーン4選

ネタバレ注意

私が感銘を受けたシーンやフレーズ4作品から紹介します。

命短し恋せよ主(あるじ)。|『春太の毎日』三浦しをん 著 から

読み進めると、彼氏のように描かれている主人公の春太が飼い犬であることが分かります。飼い犬の視点から、飼い主である女性(彼女)と実際の恋人の男性の最後の恋を見届けるストーリーです。

でもな、麻子。俺以外にも、麻子のことを一番好きだと思ってるやつがいること、忘れないでいてくれよ。俺がいなくなっても、麻子は絶対に一人なんかじゃないんだ。

 それから、ここがすごく重要なんだけど、俺がいちばん好きだと思い、誰よりも愛してると感じ、いつもいつも幸せを願う相手は、麻子なんだってこと、忘れないでくれ。俺が死んでも、麻子を大切に思ってた俺がいたこと、いつまでだって覚えていてほしいんだ。

引用元:『春太の毎日』三浦しをん 著 最後の恋―つまり、自分史上最高の恋。 (新潮文庫)

家族に動物がいると、人間より寿命が短い大切な存在を嫌でも知ります。このフレーズは感情移入して泣いてしまいました。

モテるより誇らしいこと。|『海辺食堂の姉妹』阿川佐和子 著 から

ある食堂での物語。愛想の良さから男性客に人気があると自負する姉は、引っ込み思案の妹の恋愛を心配していた。妹が病に倒れたのをきっかけに、男性の心を手玉に取り翻弄していたのは妹のほうだったと知り、姉は驚きを隠せない。

姉は驚いた。内気で悲観的だったはずの妹は、いつからこんなに大胆な娘になったのだろう。私の心配までしてくれている。でも私は大丈夫。気の多い妹とはちがい、気持はただ一つなんだもの。最後に出会った銀行員のことを想うだけでじゅうぶんに幸せだわと、姉は秘かに優越感に浸るのであった。

引用元:『海辺食堂の姉妹』阿川佐和子 著 最後の恋―つまり、自分史上最高の恋。 (新潮文庫)

私は姉であり妹でもある

この作品を読んだとき自分の話かのように思ったくらいで、私は登場人物の姉のような八方美人として生きながら、妹のようにモテたという経験があります。(現実世界では誰にも言えません。)しかしどれだけモテようとも、私は好きになった男性に好かれたことが一度もありません。そして、好かれた男性を好きになったこともありません

モテるのは嬉しくありがたいのですが、私が好きな人の好きな人が私である事以上の恋やモテなんて私の中には無いのです。姉の優越感は絶妙だと感じました。

恋の引っ越しも物悲しげ。|『桜に小禽』橋本紡 著 から

とあるカップルが別れる日を描いた作品。同棲していた住居で男女が荷造りをする場面から始まっている。引っ越し業者が来るまでの短い時間に思い出を振り返る

その恋が終わっても人生は続く

ドアが閉じ、藤巨は消え、塔子は階段を下りた。枯れたはずのものが湧いてきた。ほんの少し。残っていた。右手の人差し指で拭ったら、乾いてしまう程度。マンションの下にはトラックが停まっていて、塔子を待っている。

引用元:『桜に小禽』橋本紡 著 最後の恋 MEN’S―つまり、自分史上最高の恋。 (新潮文庫)

生涯最後の恋愛ではないだろうが、この恋はこれで終わり恋が終わる寂しさとこれからを思う前向きな気持ちが同じくらいある。地味な物語ですが、恋の終わりの理想形だと感じました。

力量を感じる作品。|『おかえりなさい』角田光代 著 から

ストーリーの内容より、構成文章の表現力に惹かれた作品です。

“信じられるもの”への憧れ

  • 新興宗教に傾倒する大学の同級生
  • 主人公に恋するボケた老婆

主人公は、大学生の頃、2人の登場人物との関わりから“信じられるもの”に憧れた。それを結婚を通じて創ろうとしたが―。

何かを創り出せると信じていたぼくらが、区役所に持っていった紙とよく似ているが、正反対の意味をもつそれを受け取り、ぼくは寝室を出る。

引用元:『おかえりなさい』角田光代 著 最後の恋―つまり、自分史上最高の恋。 (新潮文庫)

離婚届をこのように表現しています。情緒、文芸
ふと、「私が区役所に持っていった紙はどんな紙だったかな」なんて物思いにふけてしまう。

最後に 恋を持っておく

悲しくて傷つきすぎてどうしようかと思えば、満たされてこの上なく幸せな瞬間もある。

恋は広くて深くて、面積も体積も大きい。
誰がどう提唱しても、それは誰かにとっては不正解。

だから恋こそ、自分だけの概念を持っておくべきだと思うのです。

誰かの考えを参考にしたり、実際の体験から考えてみたり。

『最後の恋』シリーズは、恋について考えるきっかけになりました。

自分にとって恋が何か分かれば、”最後の恋”の正体も自ずと分かったのです。
みなさんも、自分の恋について考えてみませんか。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。 ぽぽこ