ぽぽコンプ(@popocomp)です。
みなさんは”最後の恋”と聞いて何を想像しますか。
私は「直近の恋」が最後の恋かなぁなんて思いました。今までに恋と呼べるほど相手にドキドキしたエピソードの中で最近のやつが「最後の恋」という考えです。
ただ、人によって「結婚前の恋愛」とか「過去の恋愛の中でいちばんドキドキしたやつ」とか色んな「最後の恋」があることが分かりました。
”最後の恋”をテーマにした短編集を読みました。
女性作家ばかりの1冊、男性作家のばかりの1冊があります。
作家それぞれの“最後の恋”があるように、私たちには私たちの”最後の恋”があると気づかされました。
そこで、私が感じた様々な”最後の恋“の捉え方をまとめました。
目次
最後の恋の5通りの捉え方
男性作家と女性作家の作品で“最後”の解釈の違いを大きく感じました。男性はロマンチック、女性は現実的な”最後の恋”が描かれる傾向があったのです。
5パターンの”最後の恋”を紹介していきます👇
その1:生涯で最後
生涯で最後の恋です。死別や結婚など、登場人物がもう二度と他の人に恋することは無いと思わされるシチュエーションです。
女性作家の作品に多くありました。
その2:ベストオブ恋愛
青春や熱中など、登場人物の恋愛の中で最も印象的なエピソードとされる内容が描かれたものです。
男性作家の作品に多くありました。
その3:最後だと決める恋
「この恋が人生最後だ」という覚悟の強さが印象的な作品がありました。恋を自制するという点で、その1「生涯で最後」とは少しニュアンスが異なります。
これは女性作家の作品にしかなかったのではと思っています。
その4:死んだ人にとって最後
登場人物の死によって、遺されたパートナーが「死んだ人の最後の恋人」となるもの。遺された側の葛藤が描かれた作品です。その1「生涯で最後」とその2「最後だと決める」の間で揺れ動く描写が胸に来ます。
これは男女どちらの作家の作品にもありました。小説の題材として取り扱いやすいのかな❓という印象です。
その5:最新という意味で最後
登場人物はこれからも恋をしそうです。ただ、時系列では最新の恋であり、今のところ最後にした恋なのだなと思わされるものです。
こちらも男女どちらの作家の作品にもありました。恋愛を特別なものだと思っていないというか、生活の一部として描写しているのがその1~その4までと異なる点です。
まとめ
- 生涯で最後(女性作家多め)
- ベストオブ恋愛(男性作家多め)
- 最後だと決める恋(女性作家のみ)
- 死んだ人にとって最後(男女両方)
- 最新という意味で最後(男女両方)
私が作品を通じて感じた5パターンの”最後の恋”を紹介しました。
- 男性は恋愛にドキドキ感を求める傾向
(恋愛できるのは誰かという視点) - 女性は恋愛に運命の人を求める傾向
(誰なら恋愛できるかという視点)
男性作家の作品は恋愛の心情描写が多く情緒的、女性作家の作品は現在の生活と恋愛を掛け合わせた世界観が描かれ現実的な傾向がありました。
そして、男性は感情・女性は人間が恋愛のベースになっているように感じます。
私見ですが、男性に浮気者が多い理由は感情をベースに動いてしまうからではないかと思います。一方で女性の浮気のきっかけは素敵な誰かが表れたからではと思わされます。
女性の浮気が男性よりも非難されるのは、女性が人そのものに恋愛する傾向にあることを本能的に知っているからではないでしょうか。
色々な”最後の恋“は以下の短編集から見られます。5年以上前の書籍なので今は中古で流通しているのかなと思います😊
あとがき ※ネタバレあり
上記の作品から印象に残った描写を1つ。
『おかえりなさい』角田光代 著 から
離婚直前、妻に過去の話を語り掛ける口調で話が進んでいきます。
“信じられるもの”への憧れ
- 新興宗教に傾倒する大学の同級生
- 主人公を恋人だと勘違いするボケた老婆
主人公は大学生だった頃、上記2名の登場人物が持つ“信じられるもの”に憧れた。それを結婚を通じて創ろうとしたが―。
何かを創り出せると信じていたぼくらが、区役所に持っていった紙とよく似ているが、正反対の意味をもつそれを受け取り、ぼくは寝室を出る。
引用元:『おかえりなさい』角田光代 著 最後の恋―つまり、自分史上最高の恋。 (新潮文庫)
私も主人公と同様、結婚に対して新しい何かを創り出せると期待していたのでこの離婚届の表現にグサッときました。
3文字では形容しがたいやるせなさが詰まっています。
この主人公の恋は離婚により最後を迎えたのだろうかと思いを馳せました。
そして、恋愛と結婚は別物で考えた方が良いなぁとバツイチの私は改めて感じた次第です✋
最後の恋=結婚となったらさぞ幸せな人生なのでしょうね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。